お茶出しなんて何度もしている仕事なのに、こんな大事な時に失敗してしまう自分が情けなくて、結乃の目に涙が込み上げてくる。


「……君は何の関係もない。悪いけど、一人にしてくれるかな……」


沈んだ声で発せられた敏生の言葉が、結乃の胸に突き刺さった。

敏生の力になるどころか、側にいることも許してもらえず、結乃は背中を向けて歩き始める。
唇を噛み締めても、どうしても泣くのを我慢できず、とめどない涙が結乃の両頬を伝って落ちた。