『やめてよ!』



『離して!!』



『ふざけるな!!』



『死んだら許さない!!』




夢の中、1人の少女が




叫んでいた




あれは、紛れもなく幼い頃の私




泣きながら叫ぶ




ある人物に向けられた言葉




そして、映像はあの日に変わる




ポツリ



またポツリと降り出した雨




それは、次第に激しく地面を叩きつける




そんな中




無の感情で雨に濡れ、ただ立って




涙を流す私の姿




足元は裸足



『桜……』




そんな私に後ろから抱きしめる男の子




その子の顔は霧がかかったように見えなかった




ピピピピピ




そこで、夢はアラームの音で終わった




目を覚ますと夢だったのかと実感する




なんか、やけにリアルな夢だった




けど、あれは現実で起こった事だから当たり前か。と1人で納得し




そんな自分を嘲笑った