にしても、この荷物を持って教室に帰ればきっと怪しい



だから、放課後までここに置かせて貰うことにした




そして、ヒロくんと肩を並べながら長い廊下を歩いた




その間もやっぱり私の歩幅に合わせてくれるヒロくんに頬が緩むのが分かった




でも、さっき私だけでも感じた沢山の視線




それが今、ヒロくんにも向けられていて




廊下にいるほとんどの女の子がヒロくんに見惚れている




けど、ヒロくんは気にしてない様子




ただ、私との会話に付き合ってくれて



笑ってくれている




「ヒロくん、モテるんだね」




「え?」




「廊下にいるほとんどの女の子達がみんなヒロくんを見てるよ」




「あぁ、ウザいだけだよね。
見てほしい奴には見られないのにな」



と、最後の方は聞こえなかったけど



悲しそうに笑うヒロくんに胸が張り裂けそうなくらい痛くなるのを感じた




そして、ヒロくんは私を教室まで送ってくれた




「じゃ、桜また放課後にね。
何かあればすぐに連絡して」



私の頭をポンポンとしてからヒロくんも自分の教室に帰って行った




私はそんなヒロくんの後ろ姿をただただ見つめて立っていた