久しぶりに香るヒロくんの香り
昔からこの匂いが好きで落ち着いていた
「え、ちょ、桜??」
そんないきなりの私に驚きを隠せないヒロくんに私はさらに力を込めた
離れたくない
何故か分からないけど
傍に居てほしい
きっと、春休みの間ほぼ毎日のように一緒に過ごしていたから
「桜、陽斗を放してやんな」
「やだ。繭、うるさいよ」
私は抱きついたまま顔を繭にむけ
ムッとした表情を見せると
はぁーっとため息をはかれた
何よ
呼び出したのは繭なのに
「桜、一旦座ろっか」
そんな私に優しく声をかけてくれるヒロくん
抱きつく私をヒロくんは抱っこして
さっきまで座っていたソファーに腰を下ろした


