わ…綺麗な人だなぁ。
少し癖のある色素の薄い髪に、長いまつ毛。端正な顔立ち。程よく伸びた手足。王子様のような綺麗な人だった。
「お、恐れ多い…」
起こすのはやめて、教室へ戻ろうと立ち上がった時、グイッと腕を引かれた。
「っ!??」
急なことすぎて心臓がバクバクなっている。暫く動けずにいると、じわじわと背中に温もりを感じた。
も、もももしかして…
嫌な予感がして、少し離れて振り返るといつの間に起きたのか、男子生徒が少し憂いを帯びた瞳で私を見つめていた。
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