学校を出て、向かうは詩乃行きつけのスーパー。俺がかごを持つと、詩乃は「ごめんなさい」と謝った。


人は笑っていた方がいいし、感謝して生きたほうがいい。そんなふうに思うのは親の受け売り。だからこう言った。


「ごめんって謝るんじゃなくて、こういう時はありがとうって感謝する方がいい」

それ以降、詩乃は「ありがとう」と笑うようになった。


会計が終わって、食材が入った袋を持つと、詩乃家に向かって歩いた。


先頭を歩いているのはいいが家がどこか分かんないな…


「詩乃の家どこ?」

聞くと、くすくすと笑われ、案内された。着いた先は庭付きの小さな家だった。だけどどこも光はついていないようだった。