俺は手を引いて詩乃と教室を出た。会話をしながら廊下を歩いている時、ふと違和感を感じた。
あぁ…詩乃が俺のこと立花さんって呼ぶからか。
なんだかイラついて気づけば、詩乃の腰に手を回してもう片方の手で手首を掴んでいた。
「そのさぁ、立花さんっての嫌なんだけど?他人行儀みたいで。もう他人じゃないし」
そう言うと、詩乃は視線を逸らして、耳まで真っ赤にして小さな声で俺の名前を呼んだ。
…可愛いやつ。
ごめんな、と言って頭を撫でた。そして離れて、また歩き始めた。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…