「っ!!?」


彼女は石像みたいに固まって動かない。


まぁ、急に抱きしめられたらな…


そう思っていると、彼女は小刻みに震えてこういった。


「あの、すいません…っ」


耳まで真っ赤にして。それで、学生証を探しているって言うから拾った学生証を見せると、明るい顔になった。…しかし、次第に焦った顔になって学生証の中を見始めた。そして、安心したような顔になった。


ころころ表情変わるな…変なやつ。


その日はずっとあいつ…桜田詩乃の事ばっかり考えていた。