HRが終わって、続いて2限の学活が終わっても学生証は返ってこなかった。学生証が無いのが先生に見つかったら面倒だし、何よりあそこの中に大切なものがある。





拾われてるなら、返しに来るはずだよね…?名前も書いてあるし…。まさか家に忘れてきたとか…??


「…てる?……ちょっと、詩乃!聞いてる?」


「…あ、ごめん……考え事してた…」



苦笑いをすると、結月ちゃんははぁ、とため息をついた。そして、ギラっと目を光らせた。




わぁ〜結月ちゃんが怖い顔でこっちを見てる〜



「詩乃、何かあったでしょ。白状しろ〜」



むにっとほっぺをつままれた。つままれたところが次第にじんじんと痛んだ。



「い、いひゃい…いひゃい!!」


「だったら話してよ?このままずーっとぼーっとされたら私が困る!」


「うーん。じ、実は…」