「持ってくれてありがとうございます」
言うまでもなく、材料の入った袋は遊が持ってくれた。遊は短く「ん」とだけ言って前を歩く。
「そう言えば詩乃の家どこ」
「分かんないで前を歩いていたんですか?」
くすくす笑う私の隣に来る遊。怒ってるのか、むっとしている。
「悪かったな」
「ふふ、私の家はスーパーから結構近いですよ。あの角を右に行けば…」
右に曲がった先に見えるのはこじんまりとした小さな家。その家こそが私の家。小さいと言っても一人で住むには十分大きいくらい。庭もついてるし。
まぁ、数年前まではそんなことなかったんだけどね。
