「ちょっと、うわぁ、とか言わない。それにじろじろ見たら失礼でしょ。私達こっちだから」



体育館に入るなり、新しい制服に身を包んだ1年生を見つけて、嬉しいような嬉しくないような、微妙な気持ちになった。



席につくと、間もなくして入学式が始まった。長いとお決まりの式辞と祝辞に何人か脱落した人もいたけど私はなんとか突破。入学式が終われば始業式が待っていた。



じ、地獄だ…先生話長いよ…!!もっとこう、短く!!



席に座りながら膝の上でぎゅっと拳を握りしめて、延々と続きそうな言葉の羅列に地獄に耐えた。途中、周りをちらと見れば春の陽気に負けて夢を見てる生徒もいた。




ようやく長い入学式と始業式に解放されて、ぞろぞろと生徒が教室へと向かった。



みんな疲れているのか歩みはスローモションのようで面白い。


「あ〜疲れた〜校長話長いっつーの」


「だね〜って、あ、ごめん結月ちゃん先に教室行ってて?」