「お礼はしますよ…でも……」


「じゃあ、今日から俺の犬になって?」


にっこりと笑う彼は有無を言わせない黒い顔をしていた。



なんか大変な人に会っちゃったよ…!



結局、学生証の人の押しに負けて「はい…」と言ってしまい、犬になることになった。彼は満足そうに笑って私を撫でた。



「俺の名前は遊。立花遊(たちばな ゆう)よろしく、詩乃」



どこから私の名前を知ったのか、最後に柔らかい声で私の名前を呼んだ。


「よ、よろしくなんてしたくないです…」



今日未明、王子様のペットになりました…?