次の日。海の家のお手伝いはしなくてもいい、ということで海で遊ぶことにした私達はシートを敷いてパラソルを立てた。
準備が終わり、花奈ちゃんは早速浮き輪を持って颯馬くんと一緒に海の方に歩いていった。
「あっつ……」
パラソルの影の中で体育座りをしながら結月ちゃんが低い声でそういった。
そんな様子を見て、側で立っていた奏先生がこんな提案をした。
「結月、冷たいもの買いに行きますか?」
先生のその言葉に、ぱあっと顔を明るくした結月ちゃんはスッと立って、先生と向こうへ行ってしまった。
と、取り残された……
遊はさっきから姿を消しているので、ぽつんと1人取り残された私は、先程の結月ちゃんの様に体育座りをした。
「…あー、ここにいたのか」
「遊!…どこ行ってたの?」
急に声がしたと思い、顔を上げると少し汗をかいた遊が飲み物を数本抱えて立っていた。