真面目な表情をする遊はどこか寂しげな表情だった。

嫌な、予感がする…


「俺、久しぶりにこうやって大勢で泊まりに来た」


「遊…?」


「最後に泊まったのがいつだったかも忘れた」


しんと静まり返った夜に暗い波の音だけが響いた。


「…俺の親は俺が小さい頃に死んで、ずっと1人だったから、こういうのとは疎遠だったしな……」


そう遠くはない昔を懐かしむかのように空を見上げた遊。それがとても綺麗で、悲しくて私は涙を流した。


「遊、ダメだよ……」


簡単に死んだなんて言っちゃ……まだ、遊の心の中でちゃんと生きてるもん……