飼い主と私。


遊は、私の手のひらにちゅ、とキスを落とした。その表情はとても綺麗で、伏せられた瞳から目が離せなかった。
少しして遊は満足したのか、すっと手を離した。


「あとは……?」


うわぁ……これは…言ったら絶対キスされるやつ…!!


「あとは…別に…??」


「本当?ココとか……」


ぐいっと近づいてきたと思えば、今度は唇に軽くキスされた。


「…何を……っ!?」


「何って…消毒」


ぺろっと舌なめずりして、遊が愉しそうに笑った。


き、綺麗な顔したキス魔だ!!キス魔!


「さ、もうお昼時なんだし、あっちに戻るよ」


遊はなんの悪びれもなく表の方に歩いていった。


「……ばか」