勇、と呼ばれたガタイのいい男の人はどうやらこの海の家の店長さんらしい。
先生と話している時、颯馬君に呼ばれたので先生にお礼を言って、厨房に向かった。
「桜田、遊、知らない?」
暑くなったのか、頭にタオルを巻き付けて、半袖シャツの裾を捲っていた。
「あー、どこだろう?見てないな……あと、料理変わろうか?暑そうだし…休憩とか…」
「んー、いや大丈夫。それより遊、外にいないか見てきてくんね?もうすぐ昼だし。接客は店長さんも香澄さんも戻ってきたし大丈夫だろ。頼んだ」
そう言って颯馬くんは忙しそうに料理に戻った。
断れないし、探しに行こう…
