ジリジリと照りつける太陽。蜃気楼が揺れる道路。滴る汗。


季節はもう夏だ。


「う〜〜!!これぞ、夏っ!!」


「……詩乃、テンション高い……暑い帰りたい」


テンションが高い私と反対に暑いのが嫌いでテンションが低い結月ちゃん。
その後ろでは、遊や先生、花奈ちゃんカップルが荷物を車から出していた。


テストも無事、全員補習無し。終業式も終え、夏休みに入って約1週間と半分くらい。予定通り、先生の親戚がいるという海へやって来た。


「結月、暑いの苦手なんだから日傘使いな?あと一応、保冷剤あるよ?」


すっと、奏先生が結月ちゃんに日傘をさした。


「…ありがとう……」