ショッピングモールで一緒にいたアイツ。
詩乃は、あっ!と声を出して、
「あの人は…私の弟…です……」
はぁあ…?嘘でしょ……まじ…?
「俺も勘違い…?」
そりゃあ、姉弟だったら仲いいよな……弟にヤキモチとか…
そんなふうに思っていると、ふふっと詩乃が笑った。
ちゃんと…伝えなきゃ。もう、離れないように。
「詩乃、好き。ちょっとバカで抜けてて、ころころ表情変わって…可愛すぎ」
そう言うと、詩乃もなにか言おうとした。それを止めるように、俺は詩乃の口を手で覆った。
ダメだよ、詩乃。言葉にしなくてもちゃんと…届いてる。それに……
「たっぷり味わうから…」
さ、もっと可愛い表情、見せて?
そっと、詩乃の唇に触れた。
