「ほんとは…嫌でした……遊、全然図書室来てくれないし、ずっとずっと……もやもやして…」


詩乃、そんなこと思ってたの……?


「彼女なんて作っちゃやだ……私だって好きだもん……いつまでもペットなんかじゃやだもん……っ」



初めて聞いた詩乃の本心。泣いてる顔も震えてた声も全部含めて。



「……バカ。可愛いこと、言うな」


あー……止められないわ……こんなふうにさせた詩乃が、悪い。


俺はそう言って、強引に詩乃の唇を奪った。


「分かった…?俺、彼女なんていないし…最初っから詩乃だけなんだけど?」


一昨日の事情を詩乃に伝えると、また、俺の胸元に埋まるように抱き着いた。


「…勘違いしてた……恥ずかしい…」


あ……そう言えば…


「そう言えば、詩乃の方こそアイツ誰なの……」