「お、お願いがありまして…!」


花奈の話を聞けば、近々好きな人に告白しようと思っていて、その練習相手になって欲しいという事だった。


「なんでそんなめんどくさいこと……無理」


「えぇ…お願いだよ〜!さっ、行こ!」


話を聞いてるのか聞いてないのか、花奈は無理矢理腕を引いて廊下に出た。


「ちょっ……!」


これは断る方が面倒くさそ……


諦めて素直について行くと、廊下の角を曲がった突き当たりの、水道で立ち止まった。真ん中に壁があるので周りからは死角となっている。


「ここだね…!」


「うわ……ムードの欠けらも無い」