ショッピングモールで詩乃とその彼氏を見かけてから約3週間。俺は詩乃を避けていた。


「はぁぁぁ……」


詩乃不足……死ぬかも…



自分が悪いことくらい分かってる。素直に聞けばいいことだって。


でも、聞けないのは…アイツが楽しそうな顔してたから。


放課後になっても帰る気になれず教室にいると、花奈がひょこっと顔を出した。


「あ、いた〜」


「お前…壁から顔出すの好きだね」


「どういうことっ!?」


なんて笑いながら教室に入ってきて、俺の席の前の席に座った。