き、気まずい…… 「あ、あの…元気、だっ…た?」 「詩乃の方こそ」 「わ、私?私は…………元気だよ。」 「そう…」と言って視線を下に落とす時雨は、前見た時よりもずっとずっと大人びて見えた。 「時雨、その……お母さんは、元気?」 私の言葉に驚いた時雨はその、黒い瞳で私を見据えた。そして、言いづらそうに視線を逸らして 「元気だよ」 そう、ぼそっと呟いた。