「やっぱり……詩乃」


「…し、ぐれ………」


目の前に立っている人は私の弟の時雨だ。一つ下の、私の弟。


私の家族の1人だ。


久しぶりに見た瞳。ちょっとクセがある黒髪。目の下にある涙ボクロ。昔と少しだけ違う弟。



なんで…なんで……



「なんでここにいるの!?」


駅のホームにいることを忘れてた私は大きな声を上げた。いっきに周りから視線が集まる。