いつものクールさはどこにも無くて、弱々しく泣く、恋する女の子の結月ちゃんが目の前にいた。
結月ちゃんが泣く姿が見たくなくて、笑ってほしくて、私はぎゅっと抱きしめた。
「大丈夫だよ…結月ちゃん!深くは分からないけど…今から電話して、ちゃんと話せば先生も分かってくれるんじゃないかな?ね?」
「詩乃……」
「結月ちゃん、笑ってる方がずっとずーっと可愛いよ?泣かないで、先生もきっと心配してる」
そう言うと、結月ちゃんは少しだけ笑顔になって、うん。と頷いた。
「ありがとう…詩乃。詩乃が友達でよかった。電話、してみる…」
結月ちゃんは電話をかけにリビングから出た。
