少々反応に戸惑っていると、彼はその場で伸びをして欠伸を一つ。その姿でさえ綺麗に見えた。



「ん、顔、何か付いてる?」



私の視線に気付いたのか、首を傾げて自分に指さしている。


み、見すぎた…!?




焦った私はパッと目を離して「いえ…」と答えた。彼は自分から聞いたにもかかわらず、ふーん、と興味無さげに私を見た。


「…で、要件は何?」



「あ、そうだった…。あの!私の学生証見ませんでしたか…?大事なものが入ってまして…」