「いとちゃん…赤い糸見えるってほんと?」
「うん、ホントだよ。気持ち悪いでしょ」
「ううんっ!すごい事だよ!!」
「…ありがと。朋美、泰斗のこと宜しくね。私のことはもう気にしないで」
…泰斗が初恋で、
泰斗のことしか好きになったことがなくて、
泰斗しか見てなかったけど。
いつか違う人を好きになれるように。
いい恋したと思う。
「おい」
声がした方を見ると、ドアの所になぎくんと琉貴くんが立っている。
「終わったならお昼食べよ〜」
なんて、琉貴くんがいう。
私…一人じゃないんだ。
朋美と新しい友達が二人いる。
「い、今いく!」
「じゃあ、いとちゃん。放課後ね!一緒に帰ろ!」
「うん、朋美ありがとう。またね」
私は、少し急ぎ足で2人の元へ駆け寄った。
「よかったな」
「ね~」
「…2人とも、ありがとう」
「なにいってんの、なぎのおかげでしょ」
私たちはボロ階段に戻りお昼を食べて、
そのまま3人で学校が終わるまでそこにいた。