その子と泰斗の糸が繋がっていたから

一番知りたくなかったことを、
タイミング悪く知ってしまったから。

「あ、ごめん…泰斗。お取り込み中だった?」

「いや、帰るとこだった」

なんだか、フワフワしていて…
守ってあげたくなるようなかわいい女の子。

「ごめんなさい…ちょっと、泰斗のこと借りてもいいかな?」

「あ、どーぞ」

運命の人が現れたんだ。
私が止める権利はない…

「ちょ、勝手に決めんなよ」

「いいよ、泰斗。さ、先帰ってるね」

私は、なんだか泣き出しそうで…
教室から飛び出した。

涙で視界がぼやける
赤色が滲んで見える

それでも、必死に走った

最初から決めてたから、
泰斗に運命の人が現れたら
私は潔く…泰斗から身を引くって