あれから、二人で戻ったが
先生から怒られることもなく、
泰斗とは話すこともなく
球技大会が終わった。
優勝したのは、私のクラス。
嬉しいはずなのにちっとも嬉しくない。
そして次の日、
私は泰斗と会わないようにさっさと先に家から出た。
また、一人で登校するようになるとは…
いや、いつかはそうなることくらいわかってたことじゃないか。
上がらない気持ちのまま、教室に足を踏み入れる。
「おはよー、有賀さん。あれー?泰斗と一緒じゃないの?」
「あ、ほんとだー」
普段声をかけてこないのに、
こーゆー時に限って声をかけてくる女子。
「…うん」
そう答えるのがやっとだった。
なんとか、自分の席に着くけど…
隣には泰斗の席。
昨日までは嬉しいはずだった…
「あれ?!あれ、泰斗だよね?!なんで、ともちんと登校してんの?!有賀さんと付き合ってるんだよね?!」
「ほんとだ~」
なんて、女子の声。