「いと!今日、カラオケ行ってから帰ろうぜ」
「行ってもいいけど、歌わないよ?」
「えー」
「いつも言ってんじゃん。まぁ、付き合ってあげる」
とかいいつつ、ほんとは私が泰斗の歌声を聞きたいだけなんだけど。
「やり〜!!なぁ、俺の糸に変わりは?!つーか、俺の運命の人探してくれよ~辿っていけばわかるんだろ?!」
確かにその通りだ。
何度か探しに行こうと思ったけど…
探しにいけなかった。
…どんな人か怖かった。
きっと、どんな人か知ったら…
苦しくて辛くて仕方ないと思うから。
ただの逃げなんだけど…
「やだよ、めんどくさい」
「ほんとは、俺と繋がってたりして?」
「そんなことあるわけないでしょ、ばか」
…嘘でも、そんな事言われたら期待する。
期待しても無駄なんだけどね
「じゃあ、行こうか」
「んだな!」
「泰斗〜!!」
私が立ち上がって、泰斗と教室を出ようとした時のことだった。
見慣れない女の子が、
泰斗の元に走ってきたのだった。
「えっ…」
驚いたのは走ってきたことではなく…