走って、たどり着いたのは
外の裏階段。

裏階段はボロボロで危ないから近寄ったら行けないとのこと。

立ち入り禁止ってことになってるから、
もちろん人は近寄らない。

今の私には、都合のいい場所。

「…グスッ…ンフ……ウッ…」

涙が溢れて、
目の前がぼやける。

こうなることはわかっていた。

自分がここで終わらせなかったとしても、
きっと近いうちに終わっていたと思う。

ちょっと時間が早まっただけ。

そう思えば気が楽でしょ?

「なに、ふられた?」

上から声がしたので、
顔を上げてみれば…

「な…ぎくん…グスッ…」

「目腫れるぞ」

「別に…いい……」

「先生が探してたぞ」

「…いい…..」

「怒ってたぞ」

「……ぃぃもん…」

私は体育座りで、顔を伏せる。

「中倉のやつ、探してたぞ」

「……」

知らない。
今更、探すなんてどうかしてる。

終わったから、私と泰斗は。
私の初恋は。

「なんで..ここに…?」

「なんでって、ここ俺のサボり場所。ここ、先生にバレねーの」

なんだ、そゆことか…
ま、私を探してとか期待なんてしてないけど

「ま、ここに来たのはサボりじゃなくて、あんたのこと探してたらここで見つけたってとこ」

「え…」

探して…?
私のことを??