「いと、、」

「もう、名前も呼ばないで…私のことは気にしないで。朋美と付き合えばいいじゃん…」

「…運命覆すって言ったろ」

「覆す?出来っこないよ、そんなこと…泰斗、朋美とキスしたんでしょ…?」

…違う。こんなことが言いたいんじゃない。

「…それは、事故で!」

「事故だからって許されることじゃないでしょ。それに、赤い糸が惹きあってるからキスしたんでしょ。キスすることは決まってたことなんだよ、きっと。私達が、覆せる事じゃないんだよ…」

やめて。やめてよ。
止まってよ口。
私の言いたい事とは、別に口が勝手に動く。

泰斗が傷ついてる…
傷つけるつもりは無いのに
傷つけたくないのに…

「いと、ごめん!でも、これからは」

「もう、無理だよ。泰斗。さようなら」

私は、走ってテントから去った。
どこに向かったらいいのか、
もうわけわかんないけど…

自分の担当も放棄して、走った。