「んで?彼氏は?」

「ん?あー、朋美と物出しにいってるよ」

「黙って行かせたの?」

「うん。仕事だからね」

なにやってんだろ。

って思う自分と…

どこか諦めてる自分がいる。


「あいつら妙に仲いいよな」

「そーだね」

言われなくても気づいてるし…
そんなこと、私がいちばんわかってる。

「なぎ!」

走ってきたちょっとイケメンな男子生徒。

「うわ、見つかった」

清水なぎさくんの友達かな?

「うわってなんだ!しかも棒読み!」

「なんだよ」

「なんだよじゃなくて」

「いきなよ、清水なぎさくん」

ちょっと、私もひとりになりたいし…

「清水なぎさくんって…フルネーム…ククッ…」

笑いを堪えてるつもりかもしれないけど、
堪え切れてませんよ、お友達さん。

「ったく、フルネームやめろよな。なぎでいい」

そういうと清水なぎさくんは、
走っていってしまった。

「待てよ!したらね、有賀さん!」


なんだなんだ。
嵐のように去っていったけど。

なぎくんか。
うん、そっちの方が呼びやすい。