トイレといいつつ、
中庭に行く。

「はぁ…」

中庭のベンチに腰掛けると、
ホッとなにかが降りた気がした。

「あいつら好き勝手やらせていーの?」

「え?…あ」

いきなり声をかけられ、
顔を上げると彼が立っていた…

「清水なぎさ…くん」

「あれ、名前知ってんだ」

「あ、まぁ…」

「どーでもいいけどさ、彼氏だろ?アイツ。なんかあの2人妙に仲良くね?」


───ズキンッ


…うん。そうだよ。
仲がいいの…私気づいてた

泰斗は気づいてないけど、
段々と二人の距離が縮まっていくの。

私は、気づいてた

気づいてたのに…

気づかないふりしてた。

「あの、何でここにいるんですか」

「サボり」

「サボっちゃダメじゃないですか」

「そーゆーアンタもサボってんじゃん」

あ、そっか…
これ…私もサボってるのか