「どーせ、別れるんだよ?」

「うん。でも、そん時は好きなわけだし」

「けど、好きでも運命の人決まってるんだよ?」

「そーだな。けど、俺はその時その時だと思う」

…泰斗がそう言えるのは、
きっと…赤い糸が見えないからだ。

私は、無駄だって思っちゃう。

だから泰斗にも告白しないし、
ただ片思いを続けてればいいと思った。

だって、
泰斗と付き合ってもいつか…
運命の人が現れて連れていかれちゃうんだから

「帰ったら1人だ」

「あれ?おばさんは?」

「今日は夜勤なの」

お母さんは看護師さんで仕事を第一に考えている。お父さんが死んじゃったせいかな…

「そっか、まぁ…なんかあったら呼べよ!お隣さんだし」

「そーだね、ありがと」

同じマンションの同じ階で、お隣同士の私達。
マンガで良くある展開だけど…
マンガみたいにうまくなんていかない。