「泰斗、座りなよ」

「ん」

泰斗は、すぐそこにある椅子に座り私を真っ直ぐに見る。

「…無事でよかった、いと」

「ありがとう。あのね、泰斗…夢を見たの」

「夢?」

「うん…泰斗がね、必死になって私を探してくれて……助けてくれた夢」

「…いと、それ夢じゃないよ」

「え?」

「落ちたって聞いて、必死に探した…見つけた時、すっげぇ後悔した。そばにいてやればよかったって」

ほら、泰斗。
落ちたのは泰斗悪くないのに…
自分が悪いみたいな言い方して、
どこまで優しいのあなたは…

「突き放したのは私だし、そばにいなくて当たり前……それに、落ちたのは自業自得だから」

「自業自得?」

「うん、あの子達といたのは友達がいるよって見栄を張りたかっただけ…結局は、上手くいかなくて喧嘩して突き飛ばされただけなんだけど…これは、天罰だと思う」

きっと、そう…天罰
泰斗に嘘をつくなって、
神様が言ってるのかな…

「いと、追い詰めんなよ…俺のこと頼って。俺、振られてからもずっといとのこと忘れられなかった」

…泰斗。
それは、私もだよ…

いつも私の生活の中心には、泰斗がいる