「何かありましたら、ナースコールで」

そういって、
微笑むと看護師さんは出ていった

お母さんきっと来れないだろうし…
あれ?ここ、お母さん働いてる病院かな?
もし、そうだったら少し気が楽。

…とてもいい夢を見た
泰斗が私を見つけて助けてくれた夢
現実じゃ叶わない…
何度も何度も私の名前を呼んでくれた

現実ならいいのに、、

「泰斗…」

忘れられない。

…忘れたくない。

「…好き……」

溢れた…
今までの気持ちが
溜まっていた気持ちが

涙が溢れる…
視界がぼやける…

痛さなんて忘れて、手の甲で涙を拭う

苦しい、

苦しい、

苦しい苦しい苦しい…


「…いと」

あぁ、とうとう…
幻聴聞こえるようになった