小学五年生になって、
赤い糸って言うのを知った

それを知った時には、
もう…いとの周りには友達がいなかった

気持ち悪がって、
みんな友達になりたがらなかった

最初は、俺も信じなかった
信じたふりはしたけど…

赤い糸が見えるなんて普通じゃないから

けど…

「あの人たち…別れるよ」

そう言われた人達は数日後に
大体違う男や女と歩いていた

最初は、勘だと思っていた

けど…
いとの目を見たら本当なんだって

それから、
俺はいとのことを信じるようになった

気づいたら、
自分がいとの
そばにいなきゃいけないって
勝手に思ってた

それが
いとにとって苦痛のことだと知らずに