「はぁ…」

いつも泰斗が迎えに来る時間

今日は、インターフォンが鳴らない
泰斗が来ない

あ、そっか…

喧嘩したんだ
私から、突き放したんだ

私は家を出て、
1人で学校に向かう

いつもは、二人で歩いてきた道

いつもと違う景色に見える

泰斗と歩いていると、
周りの赤い糸が気にならなかったのに

一人で歩くと赤い糸が気になった


教室まで一人
教室でも一人

あぁ、泰斗の存在ってこんなに大きいんだ

泰斗のおかげで私は
ひとりぼっちにならなかったんだ


教室に入ると、
泰斗の姿はなかった

泰斗…

「有賀さん、泰斗は??」

話しかけてきたのは、
泰斗が仲良くしてる男子生徒

「わかんない…」

「あ、そう!」

それだけ、聞くと男子生徒は輪の中に戻っていった