「久しぶりだな、いと部屋来るの」

「そうだね」

なんだか、気まずい
二人の間に沈黙が流れる

私は、ベッドに座り
泰斗は、机の椅子に座った

ちらっと、泰斗を見ると目が合う

それだけで、
心臓がドキドキとうるさい

「…いとはさ、好きな人いんの?」

うん、いるよ
ずっとずっと、小さい頃から泰斗だけだよ

でも、好きなんて伝えたら
泰斗を困らせる

「い、いないよ」

「嘘。別に、いとが誰を好きだろうと俺はいとが好きだ」

「…どうして?」

「どうしてって、好きになったもんは好きだろ。つーか、好きじゃなかったら毎日一緒に通学も帰宅もしねーよ」

「それは、私に友達いないからかと…」

「違う、好きだから」

「嘘だよ、だって運命の人いるのに」

「仮に運命の人がいたとしても、今好きなのはいとだ」

それは、今だけの気持ち
きっといつか無くなる
付き合っても別れる、感情がなくなる

「そんな一時的な感情で付き合っても…どうせ別れるのに…どうしてわざわざ」

運命の人が決まってるのに、
どうして人は寄り道するのかわからない