赤い糸が見えるのは、
ほんとに小さい頃からで…

赤い糸がなにか知ったのは、
小学5年生の頃。

運命の赤い糸っていって、
運命の人と繋がってる。

その噂は嘘じゃなかった。

私はこの目で、
何人も繋がってる糸を見ている。

若い夫婦だったり、
高齢の夫婦だったり、
高校生ではあまり見たことないけど、
稀にいたりする。

みんなにいったら、
何いってんの?っていう目で見られて、
あぁ、見えてるのは私だけなんだって…

有賀 いと(ありが いと)。

それが、私の名前。
名前まで…糸に呪われてる。

「いと?」

「あ、泰斗」

泰斗っていうのは、私の幼なじみ。
中倉 泰斗(なかくら たいと)
私のことをよく知っていて、みんなに優しいこいつは男女共にモテる。かっこいいし、中心人物みたいなやつで…私の好きな人。

「なに、ぼーっとしてんの?帰ろ?」