「はーい。あ、じゃあ私今度よっしーの車乗る。どうせ最後まっちゃんカーだし」

「こっち乗るからには絶対寝んなよ、しまっち。ドライバー様に敬意を表して眠くならない様に協力する奴じゃないと俺の車には乗せん」

「大丈夫、眠くないもーん。じゃあまっちゃん、後でね」

「おー」

 先の未来に常時怯えていても仕方ない。その時が来た時に後悔しない様に、一つでも思い出は増やしておきたい。折角の旅行なんだから、今のこの時間を楽しもう。

 私は立ち上がり、先に車に向かった友人達の背中を追って走り出す。
 数時間後、まさかまっちゃんがあんな事を言い出すなんて、この時はまだ夢にも思っていなかった。