「でも本当にそこまで真剣だった訳じゃないからショックとかなかったんだよ。というかどうしても彼氏欲しいとか思ってない自分に気づいちゃって……私こういうパターン多いし、根本的に恋愛に向いてないのかなあとか」
「一年以上男途切れた事ないくせに今更?」
それは確かにそうなんだけど、でもその一人ひとりにちゃんと愛情と呼べる執着心を持っていたかと考えてみると、素直に頷けない気がする。
「いやだって私毎回長続きしないしさあ。長い付き合いが出来ないのってやっぱり私に積極性が足りないのかなあって。私の中で恋愛の優先順位って自分が思ってる以上に低いのかもしれない。皆と遊んでる方が楽しいし」
この歳になって過去の恋人の数だけ積み上げて、その実きちんと恋愛してこなかったなんて自覚するのは情けない話ではある。でも三十歳を前にして自分も周りもそれぞれ岐路に立ったなと思うからこそ振り返る余裕も出来たとも言える。
「自覚があるなら、適当に間に合わせで男作ってこじれさせるのはやめなさい。……あんまり心配させんなよ」
まっちゃんは唐突に青臭い事を言いだした私を笑ったりはしなかった。
それどころか『間に合わせ』とか言い切ってしまう辺り、第三者である彼の方が私の中身のない恋愛経験に気づいていたのかもしれない。
「うん、そうだね。……でも今が凄い楽しくてもそれがずっと続く訳じゃないじゃん?」
「どういう意味?」


