君がいてくれた日を

先輩は、色々なことを話した。

その子は耳が聞こえにくい子だったこと。
濁点がつく言葉が苦手だったこと。
その子は去年のイベントに来なかったこと。
探したくても苗字しか知らなくて探すことなんて出来ないこと。


全てが全て、苦しくなるようなこと。

そして最後にこういった。



――"俺、今まで家族にもこの話してないんだ。誰にも。俺の痛みをわかるやつがどこにいるんだって。…ここに、いた。"