個室のレストランで、朝食は和食だった。
どの料理も絶品だった。
「桝谷さん、あっ、もう絢ちゃんでいい?」
湊は笑いながら聞いた。
「はい、大丈夫です。」

「なんか、無理やり連れてきた形でごめんね。」
「いえ、こちらこそ、お仕事と伺ったのに、大した事もできず申し訳なくて。」
湊はクスっと笑い、晃を見ると、
「だって、晃のワガママだから気にしないで。もちろん仕事もだけど、ほとんどは私情だから。絢ちゃんを連れてきたかったんだよ。」
「おい!」
晃は、照れたように顔を背けた。
絢香は、唖然と晃の顔を見たが、
「ありがとう。」
と晃に微笑んだ。
晃はホッとした表情をした。


「本当、中学から一緒だけど、初めてこんな晃を見れて、楽しかった。」

湊は楽しそうに笑った。