「着替えないと行けないから、一度部屋に戻るから。電話借りるよ。」

時計を見ると7時12分だった。

絢香は、フロントに電話をした。
それを聞いていた晃は、
「絢、俺が部屋を開けてもらって、カードキー取ってくるから、お前はここにいろ。」

（…？）
「なんで？」

「お前は、隙がありすぎる。そんな格好、誰にも見せるな。」

絢香は、クスっと笑うと、
「よろしく、晃くん」
と言った。


その日は快晴だった。
絢香は自分の部屋で着替え、化粧をした。
呼鈴がなり、ドアをあけると、晃がいた。
「もう、用意おわる？」
そういいながら、中に入ってくる。
「うん、もう終わる。」
そういうと、鏡に向かい最終チェックをした。


「おはよう、湊。」
「おはようございます。社長。」

朝食を一緒にと、晃と湊は約束をしていた。
晃と絢香が一緒に現れたのを見て、
「おはよう。ようやく、収まる所に収まった？」
と笑った。

「湊、これからは湊でも、絢香の事を軽く褒めたりするのはやめろよ。」
平然と言ってのけた晃を見て、湊は唖然として、
「お前…。」
何か言おうとしたようだったが、
「ハイハイ。」
と笑った。
絢香は、少し恥ずかしくなり、下を向いた。