どれぐらい時間がたったのか、絢香は泣き疲れて眠っていたようだった。

22時12分

月明かりが部屋に差し込んでいた。
(ー ドレス脱がなきゃ…。)
寝たのは少しの時間のようだった。

少し頭痛のする体を起こし、バスルームに向かい、熱いシャワーを浴びた。

バスローブを着て、ソファーに深く座ると、冷たいタオルを目に乗せた。

(ー 身の程しらず。あれ程自分に言い聞かせたじゃない…。住む世界が違うって。)

冷やしたタオルがまた、濡れた。
真っ暗な部屋に月明かりだけが差し込んでいた。

ピンポーン。呼鈴がなった。
(ー こんな時に何?)
「ルームサービスです。」
とドアの外で聞こえた。
仕方なく、ドアを開けた。
ガッ、とドアに足が挟まれ、 締めれないようにされると、ドアに手がかかり、ドアが開かれた。

「…!!」
絢香は声が出なかった。
グイッと、手を引っ張られ隣の部屋に連れて行かれた。

(- …何?)
絢香は声も出なかった。

されるがままに、晃の部屋に入った。

リビングの上のテーブルには、食事が並べられていた。