そして、湊は、
「こっちは、桝谷さんの部屋の鍵。一応、晃の隣だから何かあったら、晃に言って。
今回は「MICE」って言って、4つのテーマに沿った会なんだ。桝谷さんは、発表の部分にお付き合いしてもらう形で、その他の時間、暇になってしまうかもしれないけど、温泉やボーリングや、シャッピングモール、ライブラリーカフェもあるから、ゆっくり過ごして。発表は、明日だから、今日は晃のリハよろしく。」
と笑った。
絢香は冷静を装い、
「ありがとうございます。」
湊は晃の方を向くと、
「リハは、演奏者だけで、その間は、セミナーだから、俺はそっち言ってるから。」
「わかった。俺も終わったら行く。」
「とりあえず、荷物部屋に置いてこいよ。」
晃と湊の会話が終わった。


「先生、荷物置きに行きましょう。」
と晃に言われ絢香は、
「はい。」
確実に、こないだの事が尾を引いていた。

仕事と思えば思うほど、言葉が何もでない。
晃も特に何も話さない。

(ー こないだの事があるから話さないのか、仕事だからか…何を考えてるか全くわからない…。)