一歩外に出れば、 結構激しく雨が降っていて。 こりゃ傘なしで帰るとびしょ濡れだ。 制服濡らしたくないしなぁ…。 それに教科書とかカバンに入ってるし。 一向に止む気配のない雨。 …しょうがない。 教科書とか置いて帰ろう。 スマホは防水だし何とかなるよ。 「…榎本さん?」 この声は。 聞き覚えのある声に振り向く。 暗くて顔はよく見えないけど声ですぐわかった。