「ど、どうした夏海」
「チッ…私が代わりに言ってやりたいけど、
あいつが言わなきゃいけないことだからそれまで待ってやって!」
「え?お、おう」
待つって何をだ。
「チッ、ヘタレが。
今日当番だから先行ってるね」
「いってらー」
大変ご立腹な様子で先に行ってしまった。
下駄箱に着いて靴を履き替えていると。
「榎本さんおはよ」
「あっ、爽汰くんおはよ!」
「ん、寝癖ついてるよ」
そう言って私の寝癖の部分にサラリと指を通す。
か、か、髪の毛っ!!!!
「顔赤いよ?…可愛い」
私に顔を覗きこみながらそう言う爽汰くん。
か、か、可愛いって…
ーーバンッ!!
突然私と爽汰くんの間にある下駄箱に手を置かれた。
「な、渚!?」
「…っせーよ。こい」
渚に手を引かれる。
と、同時に爽汰くんに腕を掴まれた。