私、藤堂ありさ13歳は、学校に行くのが嫌いだ。
 何故かというと、顔の見栄えが少し悪くて、男子からも女子からも、避けられてしまうからだ。それに、中学生になって1日目、桜満開の通学路にある階段で、すっころんでしまったのだ。そこを、好きだった男子に見られ、笑われてしまう。
「だっせぇ!!お前ほんとドジだな!」
この言葉は今でも忘れられない。
 あの時は涙目になってて、とても言い返せる余裕なんて無かったのが悔やまれる。
「あーもう私のバカバカー!!なんであんなヤツ好きになっちゃったんだろー!ほんっと見る目無いなぁ私……」
 自室にあるベットの上で枕に顔を埋めて叫んだ。ちょっぴりスッキリした。
ガチャ
 私の部屋の扉を開く音がする。
「ありさうるさいわよー」
うわっ。お母さんに聞かれていた。恥ずかしい……。
「ご、ごめんなさい……」
「ちょっと外の空気でも吸って来たらどう?」
「う、うん……」
お母さんが部屋の扉を閉じて出ていったのを確認し、私はため息をついた。